Intensa Pulperは、高濃度パルパーにおける製紙プロセスの物理化学的挙動、「繊維化」、「バッチ化」、「滞留化」、「洗浄化」という4つの要素から分析して開発された。
簡単に説明すると、性能を向上させるには繊維の塊を高濃度に保つことが重要である。しかしながら、従来型の場合、高濃度にするとスクリーンの目詰まりが発生しやすくなるため、「繊維化」、「滞留化」、「洗浄化」という別の要素に対して妥協しなければならなかった。結果的に見ると「性能が発揮できない」、「効率が上がらない」のである。
Intensa Pulperが画期的な能力を発揮できたのは、高濃度にしても従来型のように「性能が発揮でき」、「効率が上がる」という、これまでの低濃度パルパーの常識を覆す性能を実現しているからである。
Intensa Pulperのメカニズムは以下の四つの点である。
(繊維化促進)
1. パドル形状……パドルが繊維塊を完全に分散させずに(繊維状に)攪拌するようになっている
2. ローター形状……特殊形状のローターの採用
3. ローター径……攪拌能力が従来型の2倍以上
4. 槽内表面仕上げ……攪拌面積、攪拌効率が従来型の約2倍

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高濃度パルパーの評価
パルパーの消費電力単位は、単に生産量に対する電力消費量だけでその性能を評価することはできない。容積が大きく、モーター容量が大きくて電力を消費するだけでは、芯の分散能力が向上しても意味がなく、単位消費電力でどれだけの性能を発揮できるかを示す「性能単位」という概念を用いてパルパー能力は評価すべきである。
「性能単位(kWh/T)」
=「電力消費量(kWh/D)」÷「生産量(T/D)÷濃度(%)×100」
高濃度パルパーの性能単位は従来のパルパーの半分である。つまり、真の意味での「省エネルギー」「能力アップ」を実現したということである。
高濃度パルパーのもう一つの特徴は、小型のパルパーで大量のパルプ生産ができるため、パルパーシステムの設置、省スペースなどが可能となる。パルプストックポンプの電力消費の削減だけでも大きなメリットをもたらすが、高濃度パルパーはパルパー出口の濃度を意図的に下げることができるため、一次の精選スクリーンは不要となるなど、従来のパルプ製造システムそのものを大きく変えることができる。
例えば、現在の古紙パルプ製造システムの消費電力単位(パルパー以降)は100〜130kWh/Tまで低下している。高濃度パルパーの登場により、100kWh/T以下の消費電力単位で古紙パルプを製造できるようになる。
Intensa Pulperの導入効果は、以下の通りである。
1. Saving Energy : パルパー単体による著しい省エネルギー
2. Increasing production: 最小設置面積のパルパーで最大生産
3. Improve quality : 最小設置面積のパルパーで高品質化
4. Saving investment cost: 既存設備にパルパーを増設できる
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